「……私は、妊娠しています。あなたの子どもです」

小町は覚悟を決めたように、俺に言った。妊娠…。突然の告白に、俺は驚く。

でも、口にしたのは「どうしよう」とかじゃなかった。

「結婚しよう」

小町は「えっ?」と俺を見つめる。俺は小町の手を握った。

「俺だって男だし、結婚したいってずっと思ってたんだよ。ちゃんと幸せにする。家族になろう」

小町の目から涙がこぼれていく。俺はただ、小町のきれいな涙を拭って抱きしめる。

俺がお父さんになるのは、きっとあっという間なんだろうな…。

そんなことを思いながら、ただ小町を抱きしめていた。