俺は嬉しさでいっぱいになり、小町を抱きしめてそのおでこにキスをする。小町は「えっ?えっ?」と驚いていた。

「俺たちがいる限り、世界は平和になっていくんだよ。俺はそう信じてる!プラスに考えなきゃ人生は楽しくない!」

俺は小町をまっすぐ見つめる。そして、小町はゆっくりと頷いた。

こうして、恋の道が始まったんだ。



小町と過ごす日々は、特別で楽しい。春は、小町の大好きな桜を一緒に見たり、花々が咲き動物たちがたくさんいる森の中を散歩した。夏は、アイスクリームを一緒に食べて、花火をした。秋は、読書をしたり、舞台を見たりした。冬は、一緒に温まり、雪で遊んだ。

楽しくて、甘くて、時々酸っぱくなる…。それが俺たちの恋だと思ってたんだ。

それは、突然だった。

小町がどこか元気がなくなって、デートに行かなくなった。家に籠るようになってしまった。家に行っても部屋から顔を出してくれないし、手紙も返事をくれない。どうしたんだろうって不安になる。

小町のお父さんに、「もう三日も出てこないんだ」と言われ、俺は小町が部屋の中で倒れてないか心配になった。そして、強引に部屋に入る。

「アレックスさん!?」

ふとんにくるまる小町は、とても驚いている。俺と小町のお父さんとお母さんは、小町の近くに座り、「何があったの?」と訊く。

小町は、お父さんとお母さんに「二人で話したいのです。席を外してもらえませんか?」と訊ねた。お父さんとお母さんは黙って部屋を出て行く。その時に、俺をじっと見つめたような気がした。