そう言うと、小町は未だに怒り続けているリーバスに「医務室に行ってきます」と言い、俺の腕を引く。

「足から血が出ています。転んだんですか?」

心配そうに訊ねる小町に俺は笑った。

「大丈夫だって!俺は元気だけが取り柄だし!こんなの放っときゃ治るって!!」

しかし、小町は首を横に振った。

「いけません!きちんと処置をしなければ痕が残ってしまいます!」

小町の腕なんてきっと簡単に振りほどくことができる。でも、俺は抵抗せずに小町に従う。俺を掴む腕はとても柔らかくて心地よかったから。

医務室に着くと小町は俺を椅子に座らせ、処置を始めた。怪我ならリーに処置してもらえばいいのかもしれないけど、今日はリーはいなかった。

俺に触れる小町の指はどこかくすぐったい。丁寧に小町は処置をしてくれた。

「終わりましたよ」

そう言って笑った小町をかわいいと思った。その日から、小町のことが気になり始めた。



小町のことが好きだと気づくのに時間はかからなかった。

好きと気づいた後、俺はすぐに小町に「好きだ」と告白した。

しかし、「ごめんなさい」と何度も断られてしまう。そこで、俺は訊いてみた。

「どうして付き合ってくれないの?」

小町は悲しげに言った。

「今は戦争が行われているのです。私たちの国は敵対しています。もしも、戦争で引き裂かれてしまったら互いに悲しい思いをするのです。なら……」

「両片想いなんだ!!」