俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」




リーバスの昔の物語が、また始まるーーー。

その日の夜は、孤児院の食堂は盛り上がっていた。リーバスの十六歳の誕生日だからだ。

テーブルの上には、孤児院では珍しく豪華な食事が並び、リーバスには孤児院卒業の記念としてビールが注がれた。ドリス国では十六歳から飲酒ができる。

「リーバス、誕生日おめでとう!!」

ロンやレミーが大げさなほど騒ぎ、ロビンと主役であるリーバスは呆れる。

「乾杯しようよ!!」

グラスを手にしたロビンに、ロンとレミーが「賛成!!」とグラスを手にする。リーバスもグラスを持った。

「乾杯!!」

グラスが少し派手にぶつかり合う。リーバスのグラスから少し黄金色の液体がこぼれ、「おい、もう少し普通にできなかったのか」とリーバスは苦笑した。

リーバスたちは、あと一週間もすれば孤児院を出てそれぞれの道を歩んでいく。

この仲間たちと簡単に会えなくなることをリーバスは少し寂しく思いながら、みんなと喋ったり食べたりするのを楽しむ。

夜の八時にようやくパーティーはお開きとなった。

「騒ぎすぎたな〜」

「飲みすぎたかも〜…」

ロンとレミーがそう言いながら、自室へと消えていく。その後ろ姿をほろ酔いのリーバスが眺めていると、「リーバス!」と肩を叩かれた。

「ねえ、ゆっくりできるのもきっと今日が最後だし、私の部屋で飲もう。酒をたくさん用意したんだ」