俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

モヤモヤした気持ちが渦巻く。目の前にいるロビンさんは、初めて見る優しい笑顔。

リーバスとロビンさんは、ただの幼なじみじゃないというの?

ロビンさんはテーブルの上にまだ来ていないコーヒー代を置き、コーヒーを飲まずに去って行った。

それと入れ違いにリリーがコーヒーを持って現れた。

「お待たせしました〜!ってあれ?さっきの軍人さんは?」

「帰ったみたい……」

私は笑顔を作り、リリーに言う。するとリリーはコーヒーをテーブルに置き、真面目な顔で言った。

「クリスタル、あの軍人さんが言ったことなんて気にしないくていい。だってリーバスさんは誰よりもクリスタルを想ってるんだから!何があっても、絶対にリーバスさんを信じてあげて。ね?」

まるで、何もかも見ていたみたいだ。不思議でたまらないけど、でもそう言ってもらえると少しずつ心は穏やかになっていく。

「……うん」

本当はもっと違うことを言いたかったけど、それしか言えない。私とリーバスを見ているリリーにそう言われると、嬉しくてちょっと恥ずかしい。

「う〜ん…。このコーヒー、どうしようかな…」

リリーは私の心も知らず、湯気の立つブラックコーヒーを見つめる。その黒はまるで底なし沼のように全てを覆い隠しているように見えた。

「もったいないし、私が飲むよ。ロビンさんが奢ってくれたと思って飲む!」

私は熱いカップを持ち、「砂糖とミルクもらえる?」とリリーに訊ねる。

「わかった!ちょっと待ってね〜」

そう言いながら、リリーは再びキッチンへと消えていった。