「何笑っていますの?こっちにも伝染してますわよ!」

笑いながらフローレンスが文句を言ってきた。クリスタルと小町も笑っている。

小町は真っ白な着物に身を包んでいた。とても美しい。まるで、雪の妖精のようだ。お腹はまだ目立ってはいない。

「小町、結婚おめでとう!」

俺がそう言うと、小町は「ありがとうございます」と頭を下げた。

「妊娠していると知って、どうなるかと思いました。家族になれて、本当に良かったです…」

小町が泣き出し、クリスタルが「おめでとう」と抱きしめる。そして、アレックスが素早く小町のもとへ移動し、抱きしめる係を交代。

そして、時間が近づき俺たちは控え室を後にした。



二人の結婚式は、とても厳かで美しいものだった。クリスタルもリーも話すのを忘れて、目の前で行われている婚礼を見守る。アレックス・ワトソンと、一ノ宮小町は「家族」になったのだ。

披露宴では、俺が挨拶のスピーチをすることになっている。その時が近づくにつれて緊張は増し、豪華な料理や酒に手をつけることができない。

「リーバス、きっとリーバスのスピーチに喜んでくれるよ!だから大丈夫!」

クリスタルが俺の手に、自分の手を重ねて笑う。こんなに優しい人を、俺は見たことがないと思う。

「かっこつける必要はないヨ!自然体で行ったらいいネ!」とリー。

「リーバスくんなら成功するよ〜。おまじないしておいてあげるね!」とイワン。

「頑張ってですわ!」フローレンス。