入学して2週間。
クラスのほとんどの女子が菅原くんと話している中で、話さない私と玲奈は周りの男子から見たら不思議に見えたかもしれない。

無理に話すことを作ってまで話さなくてもいい、それが私と玲奈が菅原くんに話しかけない理由だった。


体験入部も終わり、それぞれ部活に所属する時期を迎え、男子は可愛い子をマネージャーにしようと可愛い子に徹底的に声をかけては玉砕(笑)


私と玲奈はテニス部。
私はもともと幼い頃からテニスをしていたからっていう理由で、玲奈は、
『いろはがテニス部なら私もそうしようかな~』
って言って同じテニス部に入部届けを出した。


『ねえ、神崎さんと神谷さんだっけ?
バスケ部のマネージャーやってくれないかな?』

教室にいたみんなが驚いていた。

だって自分から話しかけに行ってまで話す菅原くんを見たのが初めてだったから。

『え? なんでそんな急に?』
玲奈は普通に返事をする。


『ちゃんとやってくれそうなマネージャーがいいなって思って。
ほら、俺の周りに集まってくる女の子たちだとちゃんとやってくれなさそうだし。』


菅原くんは女の子たちに聞こえないように小声でそう言って笑った。