「あぁっくっそ!! 爽快感ねぇ!!! もう一本勝負しやがれ!」
ボールが床にバウンドする音と共に響いたのは、まさかの勝ったのにご不満な吉沢くんの声で、サッカー部のメンバーが一斉に笑う。
ゴール下にしゃがみこんでいた湊は、物凄く嫌そうな顔で吉沢くんを見ていた。
吉沢くんが、しばしば脳筋と呼ばれていた理由がよくわかった。吉沢くんが凄いって言われていたのは、こういう意味なのか。と、どこか変なところで納得しつつ、さらにもう1つ思ったことがあった。吉沢くんの手網を握っている、ちぃちゃんが凄い。
試合終了の挨拶も終えて、湊がこっちに戻ってくる。
その表情は、ちょっと残念そうに見えた。動機はさて置き、頑張ってたのは確かだったし。でも湊負けちゃったからご褒美なしだよね。何も思いついてなかったけれど。負けてしまった事は残念だけど、ご褒美云々を思えば……負けて良かったかも、なんて思ってしまう私だ。
「お疲れ様」
「もうヘロヘロ」
そう言いながら湊は私が渡したボトルの中身を飲み干す。そして、ボトルを床に置くと私を見て少し嬉しそうに笑って私の手を握ってきた。
「で、とわ。ご褒美何くれるの?」
「え?」
あれ? 湊、決勝勝ってないよね?? ご褒美、無しじゃないの? と思っている私を他所に、湊は私の隣に居た武田に視線を向ける。
ボールが床にバウンドする音と共に響いたのは、まさかの勝ったのにご不満な吉沢くんの声で、サッカー部のメンバーが一斉に笑う。
ゴール下にしゃがみこんでいた湊は、物凄く嫌そうな顔で吉沢くんを見ていた。
吉沢くんが、しばしば脳筋と呼ばれていた理由がよくわかった。吉沢くんが凄いって言われていたのは、こういう意味なのか。と、どこか変なところで納得しつつ、さらにもう1つ思ったことがあった。吉沢くんの手網を握っている、ちぃちゃんが凄い。
試合終了の挨拶も終えて、湊がこっちに戻ってくる。
その表情は、ちょっと残念そうに見えた。動機はさて置き、頑張ってたのは確かだったし。でも湊負けちゃったからご褒美なしだよね。何も思いついてなかったけれど。負けてしまった事は残念だけど、ご褒美云々を思えば……負けて良かったかも、なんて思ってしまう私だ。
「お疲れ様」
「もうヘロヘロ」
そう言いながら湊は私が渡したボトルの中身を飲み干す。そして、ボトルを床に置くと私を見て少し嬉しそうに笑って私の手を握ってきた。
「で、とわ。ご褒美何くれるの?」
「え?」
あれ? 湊、決勝勝ってないよね?? ご褒美、無しじゃないの? と思っている私を他所に、湊は私の隣に居た武田に視線を向ける。

