「ちぃ……意味わかんないけど」
「あいつら全員バスケ出場で、バスケをジャックするんだってよ」
美久ちゃんが「ジャックってどんだけ」と苦笑いする。
「サッカー部員ってクラスに何人いるの?6人足りる?」
「だいたい3、4人位かな。うちのクラスも、林と松田と実原と3人よね。橋浦だけ、理系特進だから1人だけど」
理系特進J組。羽純のクラスだ。あまりに成績で分けないうちの学校だけど、3年生だけは理系難関校を志望している生徒を中心にしたクラスを1クラス作る。それ以外は、理系文系を分ける程度だ。ハードめなサッカー部で尚且つ理系特進って。橋浦くん、凄いな。
「1年から3年まで全員。100人近く居んのに、バスケでガチ勝負するって盛り上がってんの。ホント馬鹿。面白そうだから全試合見てやるけど。巻き込まれるチームメイトが不憫」
「不憫だけど面白そ。見に行こっと」
そんな訳で、私はちぃちゃんと一緒にバスケを希望して、スムーズにバスケに振り分けられた。
だけど、致命的に下手なわけで……。

