無念晴らしに行くとか言っておきながら、行先が分からない私は又変わらない被災した町を眺めていた。そうしていると、ふと考えがよぎる。

「陽菜だ。」

陽菜とは、小学校からの大がつくほどの仲良し。そんな陽菜と喧嘩と言うか一方的に突き放して、仲直りしなかった状態で私は死んでしまった。

「一か八か陽菜の所へ行こう!」

私はまず、陽菜の家を訪ねた。陽菜の家は、もう二年近く行ってないが、何故か道は覚えていた。然し、跡形もなく消えていた。津波で流されたのでいったのであろう。

「そんな...大丈夫だよね?」

何処からもなく不安が私を煽る。私は最寄りの避難所を訪れた。然し陽菜は居らず、二番目に近い避難所にも居なかった。

「もしかして...いや...嫌だよ!」

この思いを胸に避難所を手当たり次第で探す。然し何処の避難所にも居なかった。

「うそ...何処にいるの?」

そ最後の避難の前で呟いたら、

「大丈夫ですか?」

と聞きなれた声が聞こえる。

「陽菜?陽菜なの?」

「え...凛々子?え...きゃぁーーーーーーーーーーー!」

陽菜は全力で走り、すぐに見えなくなった。内心ショックだ。でも、彼女は何時も落ち着いているためスグに来るであろう。と思った私の考えが甘かった。陽菜は今日は戻ってこなかった。