「大津波警報だってよ...」

「本当かな」

等と様々な憶測が飛び交う。

大藤団地緑地公園はここから、1500メートル先の所にある公園だ。そこは通い慣れた道だから、迷わず行ける。

「どうせ波何だから、多分来るまで20分位あるでしょ。」っと思いつつゆっくり歩いた。

そして公園まで800メートルの所で海岸を見た。そしたら、見たことの無い大きな波がグワングワン押し寄せ、10秒もしない内に町へ流れ込んだ。

ゾクッと悪寒が走る。「すぐさま、走っていかないと！」そう考えた直後、「イタッ」と言った男の子がいた。その子は立ち上がらず、ずっと座り込んでいた。私はその子を抱き抱え、走った。

「生きないと！波に飲まれずに生きないと！」

そう子供に言った。

そして、200メートル走っただろうか。私はバテてしまい、今波は何処に有るのかと確認しようと振り返ると、波がドッと押し寄せ包み込む様に波に飲まれた。海水を飲んでしまい肺が焼けるような感じがして、意識を失った。

今、ここで凛々子と言う存在は消え去ってしまった。

最後に私は

「この町を又見たいな」

と思った。