私はモヤモヤした気持ちを落ち着かせようと、今日は部活に行くことにした。

私は幽霊部員だけど、一応文芸部に入っている。ちなみに百合は家庭部。

部室の扉を開けると、「あれ、珍しい」と先輩や同級生から言われた。この部活は非常に緩いので、部活に行かなくても何も言われない。幽霊部員がおそらく一番多い部活だろう。

「ちょっと数学をテーマにした小説を書きます」

先輩にそう言うと、「それって勉強になる?私、数学苦手なんだよね〜」と笑いながら言われた。

数学…と言っても範囲はとても広い。まずは書きたいことをまとめなければ。

分数に書き換えることができるのは、有理数。書き換えることができないのが、無理数。

分母と同じ数を分母と分子にかけるのが、有理化。

角錐と円錐の体積は三分の一かける。

ダメだ…。数学の知識はたくさん出てくるのに、お話はなかなか出てこない。

もともと私は理系で、小説を読むことは好きだが、書くのはまともにしたことがない。では何故この部活に入ったのか?それは、この学校は必ず部活に入らなければならないから!