次の日、私のクラスでは席替えが行われようとしている。

私のクラスでは、出席番号が早い人か遅い人から順番にクジを引く。今回は早い人から。

ラッキーなことに、一番最初にクジを引くのは百合。その次が私だ。近くの席になれるよう私は祈る。

百合は廊下側の一番後ろの席になった。残るクジは三十枚。隣になれる確率は三十分の一。三・三パーセント。

ドキドキしながらクジを引き、中身を見る。……絶望感しかなかった。

私は、窓側の一番前になってしまった。

私は休み時間、ちらりと百合を見た。百合と一瞬目があったけど、その視線はすぐにそらされる。きれいな九十度。

Aの二乗+Bの二乗=Cの二乗みたいに簡単に当てはまるものならいいのに…。

人間の感情とかって数式みたいに単純じゃなくて、難しい。

……って寂しくはないんだからね!?



百合と仲良くなったのは、小学校四年生の時、私に百合が話しかけてきたのが始まりだった。

「ねえ、それ何?」

私は数学に関しては天才らしく、休み時間になるとノートを出してルートの計算や作図の問題を自分で作って解いていた。

側から見ればただの変人だろうが、私は気にしない。だって数学が大好きだから!