教室に目を向ければ、他のクラスメートと百合は仲良くお弁当を食べている。前はあの輪の中に私も入っていたが、今は居づらい。

「いつになったら仲直りすんだよ。俺、ぶっちゃけ迷惑なんだけど」

奏史が私を呆れた目で見る。

「私は悪くないからね!百合と仲直りしたいなぁなんてこれっぽっちも思ってないし!」

パンを頬張る私に、奏史は「だったらさ!」と言った。

「一人で飯ぐらい食わせろよ!何でお前と食わなきゃいけないんだ!」

奏史は友達がいないわけではないが、いつもお昼は一人で食べている。

「別にいいでしょ!私だって友達なんだから!別に寂しくはないけど、アンタが寂しいかなって思っただけよ!」

奏史はごちゃごちゃ何か言ってくるけど、私はパンを食べるのに集中し、適当に相槌を打っておいた。

奏史には強がったけど、やっぱり心の片隅には、ほんのちょっとだよ!ちょっとだけ……百合と仲直りしたいって気持ちがある。

私は大好きな数学を活用してみることにした。



私のクラスにいるのは三十一人。私と百合を除けば、二十九人。

私は百合がクラスメートたちにどう思われているのか、データを集めることにした。何故なら、仲直り……するのに相手の情報は必要かなって思ったから!