でも言われてみれば、葬儀の事やら病院の事保険の話まであまりにも簡単に進んだ気がする。親戚一人知らなければ頼れる大人がいなかったのに、その時その時で親切にしてくれる人が多く何かでどうしたらいいかなんて思う事がなかった。

いっぱいいっぱいで気づかなかったけど、何にもわからない私一人にしては色んな事がスムーズすぎた。

「それでまあこの話と、あとまだ話してない事も色々あるのだけどそれを話すのに長くなるだろうしって事で俺と凌平の住んでるマンションで話すつもりだったんだけど。
ここから相当あるし、もし君が父と会うっていう事になれば夜に帰るってこともできないかもしれないから弟は"お前ん家寄るか"って聞いたんだと思うよ」


「そういう事。」


「そして、悪いけど。俺たちは君より事実を早く知ったというだけであって、この状況下は俺たちの望んだ事でもない。
だからそれなりの態度だったって事。でも頭の回転も速そうだし少しだけ良かったと思ってホッとはしたよ」



そこまで言われて、そうだよなっと気づく。
この人たちだってある意味吃驚だろう。そりゃ節操のない両親だとしてもそれでも急に妹がいると言われただけでも驚きだろうし、それにプラスして彼らは"お金持ちだ"

色んな事を考えただろう。

そして私の大してよくない気持ちを持っていても、勿論私のせいではないが、それでも彼らを責める事は出来ない。