「かえろう。」



少し片言の日本語を発してわたしの手を握って立ち上がった。



彼の赤い車に乗ってスキー場をあとにする。



『Divertimento Grazie』



わたしも簡単な言葉なら話せる。
独学だけど、少し勉強したから。



‘ 楽しかった。ありがとう。’



スキーしてみたいって言うわたしの我儘を叶えてくれた。
彼はいつだって私のやりたいことをさせてくれる。



いつまでもずっと彼と2人で。






いれると思ってたんだけどな。