「で、何故お前がここにいる、ユアン」

「え?恋敵になったら親友の所に遊びに来ちゃいけなかったっけ?」

初めて聞いたけど?と言わんばかりの様子にアレクシスは、誰が誰の親友だ?と頭を片手で押さえるが、ユアンは、うちの国でもその賭け流行ってるみたいだよ。と呑気に話している。

「ちなみに、王が誰も選ばない、王妃がアレクシス、クルトもアレクシスだったかな?」

俺の味方一人もいないんだけど、どう思う?と聞いてくるユアンを見て、どの国も平和なのだな。とアレクシスは遠い目をしていた。

中庭では動物達が集まり、ここにはまだ来ていないレッスンや勉学に励むティアナの話をしていた。

【二人のうちどっちを選ぶかって?
やっぱり美味しいご飯がある方を選ぶと思うの】

【いや、やっぱり寝床がよりふわふわな所だよ】

【絶対住み慣れた場所がいいと思うよ!
あれ?そしたら、今ティアナはどっちの国が住み慣れてるんだろう?】

その言葉に動物達は揃って首を傾げると、とにかく、ティアナが選んだ場所に着いていこうか。と結論付けていた。
舞踏会での様子は動物達にも話のネタになっているようだった。