各国の王族や重鎮が訪れるとあって、改めて礼儀作法や立ち居振舞い、姿勢や歩き方を徹底的に叩き込まれて練習では合格点を貰えるようになったが、本番の緊張している中でも上手くやれるかは自信がなくナタリーに相談したら、なるようになります。失敗しても殿下に全て任せておけばいいんです。と言われた。

【もうすぐだね、ティアナの結婚式】

【どうなるかと思うことがたくさんあったけど、もう大丈夫だよね?】

【大丈夫に決まってるよ、そうじゃなかったらアレクシスを引っ掻いてやる】

【じゃあ、私はこの嘴でつついてやるわ】

何やら穏やかでない話が聞こえてくるが練習に疲れた体には暖かな陽気の中そよそよと吹く風に誘われる眠気に抗う力はないらしく、ティアナはうとうととしていた。

【ティアナ、寝ちゃうの?風邪引かない?】

【ん……大丈夫、ほんの少しだけ……】

勝手に下りてくる瞼に勝てなくなり目を閉じかけるが、体にパサッと何かかけられたように感じて無理矢理目を開けるとそこにはいつもアレクシスが着ている上着があった。