「ずっと探していた、か……。
それで、ここに来た理由は?」

「はい、もし殿下がご存じなければ伝えないといけないと思いまして……」

「さっさと言え。
俺は暇ではないのだから」

「は、あ、あの……姉さんは実は、化け物なのですっ!」

やはりな。と内心舌打ちをした。

ティアナは家族に化け物だと思われて捨てられたと言っていた。
それ故に動物と話せることや声が聞けることを誰にも知られまいと今まで必死に隠していたことも。

悲壮感漂う顔をしているが、その目にはありありと“言ってやった”と達成感のようなものが浮かび上がって見えた。
ティアナと同じような顔をして苛立たしいとアレクシスは眉間に皺を寄せるが、その表情をどうとったのかアネッサは身を乗り出してきた。

「家族すら騙していた姉さんのことです。
きっと殿下のことも騙しているのだろうと思い、慌てて参上しました!」

「それは苦労だったな。
で、化け物だと言うのはどのように?」

「実は、動物を操れるのです」

馬鹿馬鹿しいと実際に鼻で笑ってしまうとアネッサは信じていないと思ったのか、本当なんです!私、見たんですからっ!と言ってきた。