「やあ、ティアナ。
また動物達と日向ぼっこ?」

【はい、そうです。
ユアン殿下もいかがですか?】

気持ちいいですよ?と続けると、じゃあ遠慮なく。とユアンが肩が触れそうな距離まで近づき腰を下ろそうとするが、その瞬間に誰かがユアンの襟を掴みぐいっと後ろに引っ張ったようでユアンは地面に倒されていた。

「いっ……たぁー。
手加減しようよ、アレクシス」

「うるさい、近付きすぎだユアン」

不機嫌そうに眉を潜め見下ろすアレクシスを無視してユアンはティアナの方へ顔を向けると、本当にいいの?こんな無愛想な男で。と言った。

「今なら手を取る手が滑ったって言って婚約取り消して俺のところに戻ってこれるよ?」

「あんな大々的に選ばせといて今さら取り消せるか。
大体、戻るもなにも最初からお前のところにいなかっただろうが」

「わからなかっただけで、最初の気持ちは俺にあったかもしれないじゃん。
あ、きっとアレクシスがティアナに渡したアイオライト!あの宝石言葉にやられたんだよ」

「だったらお前も一輪のバラで花言葉なんてものをやってただろう」

方や寝転んだまま、方や不機嫌に見下ろしたまま言い合う二人にティアナは苦笑いを浮かべた。