「殿下、ティアナ様は……?」
「ティアナは……」
重く口を開こうとしたその時、コンコンとノックの音が聞こえ、ナタリーが応対すると扉を開いた。
そこには先ほど謁見の間にいた護衛の隊長が立っていた。
「全て、ティアナ様の計画通りでした……」
ソファーに座った隊長は重々しく口を開く。
ブリュッケル公爵家の手の者が潜んでいる距離、襲ってくるタイミング、全ては不自然なほどティアナが言った通りだった。
三人の護衛はシュトルツ国軍の中でも上位の手馴れの者ばかりで、盗賊に圧されているように見せかけたのも、隙をつかせて馬車にいるティアナの元に執事を向かわせたのもわざとだった。
いざというときは腕の立つ者にだけ動物達が襲いかかるという俄に信じがたいことを言ったのもティアナで、それは真実となり、そのお陰で執事も荒くれ者の頭も無事に捕らえることができ、計画通り複数人はブリュッケル公爵家に戻すこともできた。
予想外だったのは突然の嵐のような雨で、足を滑らせたティアナは濁流にのまれてしまったこと。
予定では荒くれ者達がどさくさ紛れにティアナを拐い、国境を越えた時点でフライハイト国の軍がティアナを内密に保護する手筈だったのだ。
「ティアナは……」
重く口を開こうとしたその時、コンコンとノックの音が聞こえ、ナタリーが応対すると扉を開いた。
そこには先ほど謁見の間にいた護衛の隊長が立っていた。
「全て、ティアナ様の計画通りでした……」
ソファーに座った隊長は重々しく口を開く。
ブリュッケル公爵家の手の者が潜んでいる距離、襲ってくるタイミング、全ては不自然なほどティアナが言った通りだった。
三人の護衛はシュトルツ国軍の中でも上位の手馴れの者ばかりで、盗賊に圧されているように見せかけたのも、隙をつかせて馬車にいるティアナの元に執事を向かわせたのもわざとだった。
いざというときは腕の立つ者にだけ動物達が襲いかかるという俄に信じがたいことを言ったのもティアナで、それは真実となり、そのお陰で執事も荒くれ者の頭も無事に捕らえることができ、計画通り複数人はブリュッケル公爵家に戻すこともできた。
予想外だったのは突然の嵐のような雨で、足を滑らせたティアナは濁流にのまれてしまったこと。
予定では荒くれ者達がどさくさ紛れにティアナを拐い、国境を越えた時点でフライハイト国の軍がティアナを内密に保護する手筈だったのだ。



