馬車を走らせて約七キロ、それは突然の襲来のように見えた。
前から横から、気づけば後ろからも合わせて数十人の盗賊に囲まれていて突如襲いかかってきた。
「馬車を護れっ!こいつらに近づけさせるなっ!!」
多勢に無勢と言われてもおかしくない人数の差に護衛の三人は圧されていく。
剣を使い、鎌を使い、敵も味方も痛々しい傷を負っていき、後に激しく雨が降ってきた。
馬車から徐々に離されていく護衛、その隙をついて一人の長身の男が馬車に近寄りその扉を開けた。
「ご機嫌如何でしょうか、ティアナ嬢」
「……っ!!」
服は違うがその声と顔は嫌と言うほど覚えている。
クリスティーネの執事が柔らかな声と反対に、力強くティアナの腕を掴むと乱暴に馬車から引き摺り出す。
なす統べなくベチャッと水分を含んだ地面に倒されると、その背中に執事が馬乗りになり小型ナイフをティアナに見えるように地面に突き刺した。
「両国間に関する秘密を握っているのでしょう?
今正直にお話しし、シュトルツ国の婚約者候補から辞退されれば命だけはお助けしますよ」
如何です?と感情のこもらない声で問いかけられる。
身動きがとれない中護衛達を見ると、三人とも満身創痍といった様子でこちらには一向に気づいていないようだった。
前から横から、気づけば後ろからも合わせて数十人の盗賊に囲まれていて突如襲いかかってきた。
「馬車を護れっ!こいつらに近づけさせるなっ!!」
多勢に無勢と言われてもおかしくない人数の差に護衛の三人は圧されていく。
剣を使い、鎌を使い、敵も味方も痛々しい傷を負っていき、後に激しく雨が降ってきた。
馬車から徐々に離されていく護衛、その隙をついて一人の長身の男が馬車に近寄りその扉を開けた。
「ご機嫌如何でしょうか、ティアナ嬢」
「……っ!!」
服は違うがその声と顔は嫌と言うほど覚えている。
クリスティーネの執事が柔らかな声と反対に、力強くティアナの腕を掴むと乱暴に馬車から引き摺り出す。
なす統べなくベチャッと水分を含んだ地面に倒されると、その背中に執事が馬乗りになり小型ナイフをティアナに見えるように地面に突き刺した。
「両国間に関する秘密を握っているのでしょう?
今正直にお話しし、シュトルツ国の婚約者候補から辞退されれば命だけはお助けしますよ」
如何です?と感情のこもらない声で問いかけられる。
身動きがとれない中護衛達を見ると、三人とも満身創痍といった様子でこちらには一向に気づいていないようだった。



