「ティアナ!?」

「ティアナ様っ!!」

二人が慌てて座り込み、肩やら腕やらを支えてくれようとする。
ティアナは眉を下げふにゃっと笑うと、緊張して、足が動かなくなりました。と口を動かした。

「緊張……?
あれだけ堂々と話していたのにか?」

【虚勢です。
国王陛下に鋭い眼差しを向けられて、何度逃げ出したくなったか……】

目を丸くするアレクシスと苦笑いするナタリー。
もう大丈夫。と立とうとすると、逞しい腕に突然抱き上げられた。

【で、殿下っ!?】

「歩けないのであろう?
部屋まで送る」

【そ、そんな手間をかけるわけには……私、重いですし】

「ティアナは軽い。
ちゃんと食べているのか?」

クヴェルにいた時よりたくさん食べてます……。
とは口に出来ず、すれ違う使用人達の驚きながらもあたたかい目に晒されてティアナは両手で赤くなった顔を必死に隠したのだった。