週末、俊の部屋
「琴菜……」
二人は抱き合っていた。
「俊……優しいね今日は(笑)」
「まあ病み上がりだしな、琴菜に無理はさせれない、一回で我慢するし、琴菜の中は温かいし気持ちいい」
「ありがと、とりあえず薬でまず貧血の数値を上げることにしたの、でも筋腫はとったほうがいいらしいのね、じゃないと子供が出来にくいんだって、筋腫がその俊のえーと精子を邪魔しちゃうらしくて……」
「じゃあゴムつけなくてよかったんじゃないかなってこと?」
「それは嫌だよ、全部塞ぐとかじゃないし、出来にくいってだけだから、出来たら困るし」
「あーそうか」
「手術するには体力もつけなきゃだし入院は二週間くらいみたいなの、だから春休みくらいを考えてる、お腹に傷がついちゃうけどごめんね」
「いや、二人の子供は出来たほうがいいにきまってるじゃん、傷なんか気にしないよ」
「妊娠してから筋腫がわかる人も結構いるらしくてお産の時にとる人もいるみたいなんだけど、子供が育つ場所考えたらもうとっておいたほうがいいって」
「うん、わかった」
「俺に出来ることあったら言って」
「うん、俊が大事にしてくれたら充分、琴菜のこと好きでいてね」
「もちろん、好き、琴菜」
キスを交わす。
あかりから連絡が入り俊はサッカー観戦に行った帰り食事に出掛ける。
「今日は負けちゃったね、残念」
「そうだな」
「次は勝てたらいいね」
「うん、でも悪いけどもう沢野と二人ではいけない、ごめんな」
「それは彼女からの条件?」
「条件とは思わないけど不安にさせたくない」
「彼女から奪おうなんて思ってないよ」
「お前の性格だとそうだろうな、でも俺のこと好きだろ?」
「それは……嫌いなら誘わないし」
「俺なお前といるの嫌じゃないし、むしろいいほうなんだけど……女としては見れない」
「女……」
「だから、それはお前がつらくなると思う」
あかりは言葉が出なかった。
「特に俺が別れるのを待つとかは期待しないで欲しい」
「そんなの結婚したって別れる人もたくさんいるのにこの先のことなんてわからないじゃない」
「俺な、彼女のこと保育園の時から好きで毎日会うたびにキスしてたんだ、好きすぎるんだよ、この間ちょっと倒れてな、でもますます俺がついててやるって改めて思った」
「そう……わかった、俊くんとは友達でいたいし、サッカーのことも話したい、これからはいい友達でいてくれる?」
「ああ、二人では出掛けれないけどみんなと遊ぼうな、夏休みにこっち来るんだよ、みんなに紹介するつもり」
「会うの楽しみにしてる」



