好きだと言ってくれるのに…ヤキモチ妬いちゃう


「やっぱり琴菜は悪くないよ、筋腫だって自然にできるものだし、貧血の原因もわかったんだろ?」

「来週MRIを 撮って調べるの、手術が必要かもしれないし、そのままかもしれない、とりあえず貧血の薬を飲んでる」

「もっと食事をしろよ、一杯食べて早く元気になれよ」

「こんなやつれた私でも好きでいてくれるの?」

「当たり前じゃん、琴菜の性格が変わるわけじゃないし、食事をきちんととれば治るよ、早く琴菜の笑顔を見たいしな」

俊は琴菜にキスする。

「あっ、ごめんもう一つ謝らないといけない」

俊は寝ぼけて琴菜と間違えてあかりにキスしたことを正直に話した。

「もーーー怒ります」

「俊て呼ばれたような気がしたから琴菜かと思って条件反射で、へへっ」

「いくら仲良くても俊て呼んでいいのは私だけ、その沢野さんがもし呼んだらやめてもらって」

「了解!」

「それと、もっと連絡して、さみしいの、俊ばかり楽しそうで」

琴菜はすねる。

「今日も夜、カラオケにみんな行くって言ってた」

「断ってくれたんだ」

「入院したのに当然だろ」

「遊ぶのは全然いいんだけどね、ちゃんと報告が欲しいの」

「わかった」

二人は抱き合う。


琴菜の母親が様子を見に部屋に来た。

「あら、二人寝ちゃって、仲直りしたみたいね」

そっとドアを閉める。




「二人とも起きなさい」

「ん?母さん?何で琴菜んちにいたはず」

「御呼ばれにきたのよ、お父さんいないし、琴菜ちゃんところもお父さん飲み会らしいから」

「みんなご飯にしましょ」

四人で琴菜の家で食事をする。

「また、レバーだ」

「当たり前よ、貧血にはレバー」

「いただきます」

「あっ、これは上手い、琴菜もっと食えよ」

「うん、レバニラ炒めよりは煮物のほうが食べやすいかも、甘口でおいしい」

「俺、これ気に入った、琴菜に教えておいて」

「全く偉そうに、琴菜ちゃんをこき使わないのよ、もしこれからの将来、二人が一緒になるかわからないけど」

「なんで?当然一緒になるに決まってんじゃん」

「あんたがフラフラ遊んでるといくら寛大な琴菜ちゃんでも捨てられるよ」

「今回はちょっと怒ってしまいました」

「いいのよ、俊が悪いのよ」

「でも、サッカー観に行きたかったし、また行く約束してるのに」

「懲りてないみたいね、琴菜ちゃん、俊のこと振る?」

「私はサッカー部のマネージャーをしたし、部活は楽しかったけど、試合観戦までは興味がわかなくて中々取れないチケットだから俊は行きたいのは仕方ないと思ってるんです、今回はまあちょっとやらかしたけどもうしないよね?」

「うん、あいつ沢野っていうんだけど一緒にいて楽なんだけど琴菜とは違う楽さというか……男友達みたいな?」

「それは女の子にとってはどうなの?俊くん」

「沢野さんは俊のこと好きだと思うよ」

「琴菜」