「まあな」
私のせいだったら……
でも、もし別れてくれたら私にもチャンスがあるってことよね。
「あの、もし誤解されてたら私、彼女さんと話してもいいからね」
とりあえずは理解ある女でいなくちゃね
「大丈夫だよ、俺が謝ればすぐ仲直りするから」
あかりはびっくりした。
「いつも俊くんが謝るの?なんで?ケンカってやっぱりどっちも悪いと思うよ、俊くんだけ謝るなんておかしいよ、私なら俊くんにそんなことさせないよ」
「それは……俺達のことを知らないからだよ」
「でも、それで俊くんはいいの?」
「いいんだよ(笑)心配してくれてサンキューな、じゃあ俺バイト行くから」
琴菜に返事を返さないとな……
‘土曜日の朝帰るよ’
既読にはなったが返信はなかった。
土曜日、俊は家に帰る。
「琴菜は退院した?電話もメールも無視されてるんだ」
「そりゃあんたが悪いんでしょ、他の子とサッカー見に行ったんだから……退院は昨日したよ、でもまだ検査するらしいよ」
「何科?貧血だけ?」
「あたしが言ってもね~琴菜ちゃんから聞いたほうがいいんじゃないの?」
「行ってくる」
「おはようございます」
「あら、俊くん今週は帰ってきたの?」
「琴菜が心配で……怒ってる?」
「今までになく怒ってるわよ(笑)」
「やばい」
部屋をノックする。
返事はない
そっとドアを開ける。
「琴菜、帰ってきたよ」
布団に潜っていた。
ベッドに座りそっと布団をはぐる。
「嫌!見ないで」
「琴菜」
「帰って!こんなひどい顔なんて見られたくない」
「琴菜の泣いた顔も好きなの知ってるよな?見せて」
「嫌」
俊は琴菜の腕を掴む。
細い……元々細いけど……
「琴菜、何でこんなに痩せて……」
泣いていた琴菜の顔も頬がこけていた。
俊は琴菜をゆっくり座らす。
「俺のせい?帰らなくなったから?」
「違う!私が悪いの」
「琴菜が悪いわけないじゃん、いつも悪いのは俺のほうだし、今回もサッカーを友達と行ったから怒ってるんだろ?」
「サッカーはいいよって言ったじゃん、それについては怒ってない」
「スポーツニュースに出たのは見たのか?」
「たまたま見たよ、その後倒れた」
「じゃあやっぱり俺が悪い、興奮して沢野に抱きついたのが流れたんだし、友達からも琴菜がいるのにって随分責められたよ」
「それは……ちょっと嫌だった、メールの文章はそのことだった」
「貧血がひどいのか?」
「うん、生理が多くて中々終わらなかったりしてたの、子宮筋腫があるらしくてそれで貧血になってたみたいで」
「やっとこっち向いた」
琴菜のおでこと泣いていた瞳にキスをする。
「こんなひどい顔見られたくなかった」
俊の胸に飛び込む。



