まいったなー
俊に電話がかかる。
「俊くん、ニュースに出たみたいだね、友達からメールが入ってきたよ」
「俺もきたよ、思わずゴールに興奮して抱きついたとこ撮られてたな」
「彼女さんに悪いことしたね」
「行くのは言ってあるから大丈夫だと思うよ」
「楽しかったから彼女のお許し出るんならまた行こうよ」
「行きたいなー、チケットのお礼に今度奢るよ」
「楽しみにしてる、じゃあまた、学校で」
あいつといると何か、琴菜とは違う楽さがあるな、なんだろう…
もう遅いし琴菜は明日連絡すれぱいいか
俊は眠りにつく。
次の日、俊は学校で友達にからかわれる。
「お前彼女いるくせに、沢野と行くなよなー」
「試合が見たかったんだよ」
「彼女怒ってなかったか?」
「昨日遅かったから連絡してないし、向こうからもきてねーよ、サッカー好きなんだよ仕方ないだろ」
「沢野もサッカー好きなのか?」
「うん、観戦するの好きなの、彼女のお許しでたらまた行きたいよ」
「俊、よかったな、また行きたいってよ」
「楽しかったよな、沢野」
「うん」
「彼女と別れたりして」
「それは彼女さんに悪いわよ、観戦に行ったくらいで、共通の趣味が合っただけだよ」
「またまた~、彼女の座を狙ってるんじゃないの?」
「やめろよ、沢野に悪いだろ、からかうのはやめてくれな」
俊くん、優しい、好きになりそう……またパパに頼んでチケット取ってもらおう
彼女ってどんな人なんだろう、私の入る隙間はないのかなー
昼休み、淳基からメールが入ってきた。
‘琴菜ちゃんと連絡がとれないって栞ちゃんからかかってきた’
「はあ?」
「どした、俊」
「いや、悪い、友達からメールがきただけ、ちょっと電話してくる」
みんなと離れる。
「あたし、飲み物買ってくるねー」
沢野は俊の後をそっとついていく。
「ねえ、あかりって俊くんの事を好きなのかな?」
「さあな、まあ一緒に出かけるってこと自体嫌いではないだろうけど、俊には彼女いるしな」
「最近会ってないんでしょ、私らの食事によく来てるってことは、最初は実家に週末帰ってたじゃん」
「まあ、確かにな、でも、それだけで、沢野とってことはないと思うけどな、俺だって彼女いるけどお前らと食事に行くじゃん」
二人のいないところで話は盛り上がっていた。
「いやー、でも二人で行っちゃいかんよ、俊は」



