好きだと言ってくれるのに…ヤキモチ妬いちゃう


「でも、最初にしたのは淳基くんなんだからね」

「そうだけど……」


淳基は今度は自分から舌を絡ませて栞を抱きしめる。

初めてでぎこちない様子が栞に伝わってくる、栞は淳基の顔を持ち背伸びをして淳基をリードする。

「今度のデートの後、うちに来る?」

「うん!」



年も明け、三年生の6月で琴菜達は部活を引退した。

「えっ、俊……今なんて……」

「寂しいけど、暫く琴菜と離れる」

「何で?」

琴菜はうるうるしてきた。

「別れるんじゃないよ、離れるって言ってるだろ?」

「えー、ちゃんと説明してよ」

二人はベッドの上で話していた。

「この間、懇談あっただろ?」

「うん」

「その後、父さんが帰ってきて話したんだけど、俺が行きたい専門学校は父さんの単身赴任先からのほうが近いから父さんのほうで暮らさないかってこと」

「通うんじゃないの?」

「そのつもりだったけど電車代とか駅からの距離考えたら父さんとこから原付で15分くらいで行けるらしい」

「……寂しい」

「週末は父さんと車で帰ってくるよ」

「すぐ会えるのが当たり前だったのに……」

「俺だって琴菜と寝れないのは寂しいよ」

「毎日会えるのもあと少しなんだね」

「一杯それまで抱きまくらないとな」

俊は身体中にキスをしていく。



「はぁ」

「琴菜、ため息大きいよ、どうした?」

真希が話しかけてくる。

「俊と卒業したら離れるんだー」

「ふーん」

「それだけ?」

「ずっと一緒なんて無理に決まってるじゃん、就職になったらどうせ違うんだし」

「そうだけど……」

「キャプテンは専門学校じゃなかった?」

栞も尋ねる。

「そうなの……でね、お父さんの家のほうが近いからお父さんと住むらしい」

「仕方ないよ」

「逆に河田が女子と話すとこを見ないから琴菜のヤキモチはおさまるんじゃない?」

「う〜見えないって不安もあるからー」

「琴菜ラブのキャプテンは大丈夫だよ」

「栞ちゃんは平気なの?」

「あたしは大学一緒は無理だけど専門学校が淳基くんの家の近くだから会えるし」 

「そっかー」

「琴菜もそれなりになってくるよ、今までが一緒に居すぎたんだから」

「そうだよ、あたしと遊べばいいじゃん、短大と場所近いんだし」

「まだ色々三年は行事もあるんだし楽しまないと」

「うん」




あっという間に卒業を迎えた。

後輩から花と色紙をもらい、クラスや部活で写真を撮りまくった。

俊はみんなから写真を要求され、私は栞ちゃんと門で待つ。

「淳基くんもまだ来ないね」

「何気にモテてたからね」

「琴菜ちゃん、連絡してねキャプテン、あっ癖で……俊くんいなくても遊ぼうね、転校してきて楽しかったよ、ありがとう」

「栞ちゃん、そんなこと言われたら……ぐすっ」

「もう、さっきから泣いてるでしょ、泣き止んで……」

暫くして二人は門へやってくる。