「えーと、キャプテンは琴菜ちゃんのこと大好きだからちゃんと説明してくれるよ、何か事情があったんだよ」
「だって、口紅なんて大人の人だし、子供っぽい私とは違うもん、また、逃げてきちゃった」
部室
「おーす」
「おはようごさいます」
後輩から挨拶が飛ぶ。
「どした、テンション低いな」
「琴菜を怒らせちまった」
みんなシーンとなる。
「一年、悪いけど部室から出て、準備」
「はい」
淳基が一年を出して二年だけにしてくれた。
「明日クリパだぜ、俊」
「わかってるよ」
「昨日デート行っただろ、その時か?」
「いや、昨日は映画に行って食事して帰ってきたし、公園で抱き合ってこう」
昨日の再現をしようとする。
「それはいいよ」
淳基に止められる。
「何かエッチで嫌がることしたんじゃねーのかよ」
「そうそうハードなプレイとか」
「昨日は母さんがいたからしてねぇ」
「早く仲直りしてくれよ、じゃあ、今日は琴菜マネは休み?」
「わかんね、電話もとってくれねえし、来てるかどうかも」
「早く着替えろよ、来てなかったら一年にさすから俺らグランドにいってるぞ」
「ああ」
淳基と二人になる。
「何かないと琴菜マネは怒らないだろ、女がらみ?」
「まあ、そう、でも俺は何もしてねえ、されたんだよ」
「何を」
「キス」
「はあ?避けれられなかったのかよ」
「昨日帰ったらいとこの姉ちゃんがきてて朝起きたら隣で寝てたんだよ
で、失恋したとかいって無理矢理キスされたんだ
起きて帰ったから俺はまた二度寝して、母さん休みだったけど琴菜が朝来てさ、口紅ついたままでそれ見て出ていった、あいつ、トロイのに逃げ足は早いんだよ」
「それは怒るよ、口紅ついてたんならキスしたことは事実だし」
「でも逃げれなかった」
「二度寝したのが間違いだったね」
「どうしよう」
「どうしようっていっても会って謝るしかないよね、土下座でもすれば、ほら、いくよ」
「うん」
二人はグランドに行く。
琴菜はドリンクもタオルも栞に頼み俊とは口をきかなかった。
まわりは二人がケンカしてるのを知ってるのであえて何も言わず部活を終えた。
栞が門にいくと俊と淳基が待っていた。
「琴菜ちゃんは急いで着替えて帰っていったよ」
ため息をつく
「早く謝りなさいよ、二人がケンカしてたらこの部活は支障が出るってことは今日でわかったでしょ」
「栞ちゃん、俊も反省してるし話聞いたら不可抗力だから」
「不可抗力でも、琴菜ちゃんが怒るのは当然でしょ?あたしだって嫌だよ、淳基くんにキスマークなんてつけられてたら」
「とりあえず、家に行って謝ってくる、じゃあな」
「何赤くなってんのよ」
「いや、ちょっとさっきの言葉思い出してた、ヤキモチ妬いてくれるんだなって」
「わからないよ」
「うっ」
「あたしの場合すぐ別れるっていうかも、琴菜ちゃんは別れないけど……」
「気をつける」
淳基は背筋に何か走った。



