好きだと言ってくれるのに…ヤキモチ妬いちゃう


愛されてんなー

栞の携帯にメッセージが入る。

‘今から休憩に入るけど一緒に回る?’

‘今キャプテンが友達のとこ行っちゃって琴菜ちゃんと二人なの、戻ろうか?’

‘いや、俊がいないんだったら琴菜マネと一緒にいてあげて、帰り一緒に帰ろう’

‘わかった’

「栞ちゃん?」

「ああ、ごめんね、坂本くんが帰り一緒に帰ろうって」 

「何回も聞くけど付き合ってるの?」

「ううん、でも何か一緒に帰ってくれる、昨日久しぶりに一人で帰ってたら家まで長かった、話してるとあっという間なのにね」

「そうね、私達は近いからマンション下の公園でいつも話してから帰るよ~」



二人は部活の当番を終えた真希と合流して三人で文化祭をまわった。

放課後、俊も教室に戻ってきてクラスメイトと話していた。 

続々とみんなが帰っていく。

「琴菜、帰るか?」

「うん」

「じゃあ先に帰るね」

「うんバイバイ」

栞は窓の外を眺めながら待つ

文化祭の片付けをみんながしている、大きなゴミ袋を抱えていた女の子に淳基が走って近寄る。

「ん?」

あーゴミを持っていってあげるんだ、自分も段ボール持ってるのにね、優しいねー

段ボール落とすよ、持ちすぎだよ(笑)

でも二人だよ坂本くん、あれ、これも、ヤキモチかなー、モヤっとする。

夕日を見ながら栞は考えていた。



教室に誰もいなくなった。

(遅いなー)

教室のドアがあく。

「ハアハア、ごめん遅くなって」

栞は椅子から立って後ろを向いた。

夕日をあびた栞の黒髪は風になびきさらっと流れる。

「お疲れ様」

栞はニコッと微笑む

「……綺麗」

淳基は思わず口に出していた。

「えっ?何?」

淳基は照れて下を向いた。

「いや、帰ろうか」

「うん、忙しかった?」

「疲れた、足はスースーするし、女子はスカート寒いんだね」

「下は何もはいてなかったの?」

「うん、トランクスだけ、それに朝、手も、足も毛そられた」

「坂本くんはトランクス派なんだね(笑)」

「あっ、言っちゃった」

「下に女子はスパッツか体操服の下の短パンをはいてるよ、ほら」

栞は少しスカートをめくる。

「いい、こんなとこで見せなくて」

「ここじゃなかったらいいの?」

「からかわないでもうー」

淳基は真っ赤になって栞の手をスカートから外す

「誰も教えてくれなかった……寒かったのに」

「風邪ひかないでよね(笑)」