好きだと言ってくれるのに…ヤキモチ妬いちゃう


「えっ、うらやましいの?俊みたいに見境なくスルのが? 栞マネはウザイって思うと思うけど」

「それは……あるかも、まあ友達の好奇心で見るのと自分とでは違うよね、愛されてるのがうらやましいってだけ、態度は別ね」

「コンビニ寄っていい?」

「うん」

淳基は肉まんを買って出てきて半分に割る。

「はい、あったまるよ」

「ありがとう、琴菜ちゃんとね、寝顔可愛いよねって言ってたの」

「えー」

「男子に可愛いって嫌だよね」

「今度、文化祭で女装しないといけないんだよね」

頭をくしゃっとする。

「似合うと思うよ」

「やっぱり嫌だよ」

「見に行くね、うちらのクラスはフリーマーケットの場所提供だから暇みたいだし」

「えー、来るの?」

二人は話ながら帰っていく。

俊と琴菜は、鍵もかけるのも忘れて朝まで抱き合っていた。




文化祭前日、部活

「さすがに半分くらいしか部活きてないねー、クラスによって忙しいとこと、そうじゃないとこに分かれるんだよ、くじで決まるんだ~」

「坂本くん、女装するっていってたよ」

「淳基くんモテるんだよ」

「この間の打ち上げの時に和也くんが言ってた、彼女がいないのは俺と淳基だけだって、でも淳基はモテるって」

「特進クラスは校舎が違うからクラスでの淳基くんは私もあまり知らないしね、キスしたって知られたら噂になっちゃうね」

「初めてだったんだって、悪いことしたな、あたしのゴタゴタに巻き込んじゃって」

「淳基くんは迷惑なんて思ってないよ、嫌ならそんな行動しないよ、冷静だもん、気にしなくていいよ」

「じゃあ、気をつけて帰ってね、明日ね~」

俊と琴菜と別れる。

あれ、帰りってこんなに家まで遠かったっけなー
最近淳基くんと帰ってたからかな、時間がいつもよりかかってる感じ…



文化祭当日

「そろそろ淳基のとこへ行こうぜ」 

三人で歩いていく。

琴菜が先頭で教室に入っていく。

「結構入ってる、淳基くん!」

「来たの?」

「うん、三名です」

後ろから二人入ってきた。

「おー、淳基love、かわいい、琴菜の次に…」

俊は淳基に抱きつく。

周りからは女子の悲鳴が

「キャー、写真、写真」

「やめろよ、ただでさえお前目立つのに」

栞は大笑いしていた。

「ハハハ、おかしい~、でも本当に似合ってるよ、お化粧もちゃんとしてるんだね」

淳基に近付いてじっと見る。

「見ないで」

恥ずかしさで顔をそむける。

「淳くーん、こっちお願い」

「あっ、うん、ゆっくり飲んでいって」

淳基は呼ばれた女の子の方へ行く。

ふーん、淳くんて呼ばれてるんだ。
栞は淳基の女装を見ながら胸の中で少しモヤっとするものがあった。

めっちゃ写真も撮られてるし、部活の時の坂本くんと違う。

俊に電話がかかってきた。

「おう、うん、えーマジか(笑)今から行くわ」

電話を終えた俊は琴菜に言った。

「友達が来いっていうからちょっと行ってくる、二人で大丈夫だな、帰り教室で琴菜は待っとけよ」

「はーい」

「忙しいねキャプテンは」

二人は淳基のクラスから出ていく。

「友達が多いからねー、仕方ない、私がヤキモチ妬くのわかるでしょ?」

「でも、クラスではあんまりラブラブしてないけど」

「うんやっぱりお互いの友達も大事にってことで、二人では帰り一緒に帰れるし家も行けるしね、それにね……」

「何?」

「ヤキモチ妬くとその後、一杯可愛がってくれるのー」

琴菜は嬉しそうに話す。

「はいはい」