好きだと言ってくれるのに…ヤキモチ妬いちゃう

「あたしは料理が全くダメで包丁がこわいの」

カミングアウトをしてみた。

「まあ、家庭的イメージはないかな」

「そうそう、でも、はまったら追及しそうだよな」

「そっかな」

「まだ高校生なんだから親にやってもらってる子は多いよ、気にすることないよ」

「みんな優しい~」

「私は栞ちゃんは何でもできるのかと思ってたー」

「キッチンにずっと立ってられないっていうか、お湯がわくのも待てない」

「せっかちなんだね(笑)」

「そうかも、でもその間片付けてるって訳ではないの、何してるんだろう」

「そんな、みんな得意、不得意あるんだからいいんだよ、男がするのも今の時代は全然あり」

「そう言ってもらうと気が楽(笑)」

「琴菜マネは俊の好みでいつもミニスカートなんだけど栞マネはパンツ派、スカート派?」

「パンツ派かな、身長あるからミニスカートは似合わない、ロングスカートならまあいいけど」

「ミニスカートならすぐヤれるじゃん」

俊は琴菜のスカートめくる。

「あっ、スパッツはいてやがる」

「当たり前でしょ、みんないるんだし、もう~」

「みんな彼女は自分好みにしたいだろ?」

「俺は脱げば一緒だと思うけどな」

「俺よりひどくね?」 

「いえる(笑)」

男子特有の話題になってきた。




「俊、今日みんなよく食べてるし飲み物がなくなってきたから足りなくなりそう、買ってこようか?」

「飲み物重いし危ないから男に行かす」

「おーい、誰か買い出し頼む」

「じゃあ、行くよ」

「俺も」

「ん、じゃあ頼む」

「いってらっしゃーい」

「本当にみんな言うこと聞いてくれるんだね」

「こいつらといると楽」

栞に寝息が聞こえてきた。

「坂本くん寝てるよ」

「いつものことだよ、腹一杯になった寝る」

「集中力が切れた証拠だよ、気にしないでほっといていいよ」

「試合中指示出すのこいつだからな、俺は前しか見てないから、ディフェンダーでコートとみんなの動き見てんの、だから疲れると思うよ」

「そういえば、あたし、公式戦初めて見たんだけど、練習試合よりよく声出てたかな」

「疲れるんだよ、琴菜、毛布持ってきて」

「はーい」

なんなのこのチーム、めっちゃみんないい奴~

「可愛い寝顔だよね」

「私もいつも思う」

「えっ、琴菜、俺は?」

「起こすと布団にもぐるからね、気持ちよく寝てるのあまりみたことないな」

「琴菜ちゃんが起こすの?」

「夜勤の時だけね、俊は朝が弱いの……お父さんも単身赴任でいないし、電話してたんだけど、二度寝するんだよ」