私が君と出会ったのは中学一年生、入学式の日のことだった。入学式の日、私鈴菜ゆずは小学校の時から仲の良い同じクラスになった飯島あやと話をしていた。ちょうど話がもりあがってきたとき、クラスメイトと仲の良さそうに教室に入ってきたのが滝島あゆと君だった。私の中で彼の第一印象は「なんかチャラそう…。」の一言だった。まあ実際チャラかったのだが。その後クラス全員が教室に集まり、無事に入学式を終えることが出来た。私はこのクラスなら1年間上手くやっていけそうだな。と、期待に胸を踊らせ、中学生活を楽しもうと思っていた。そう、あのことを知るまでは_______________



私があのことを知ってしまったのは入学して一週間ほど経ち、クラスが何となく馴染んできた頃だった。昼休みに中学で仲良くなった春井もかと話をしていた時だった。いきなり、
「滝島って今彼女いるの!?」と
クラスの女子数名が滝島君の机を囲んで騒ぎ出したのだ。当の本人の滝島くんは
「もう別れたから、今は違う。」
と言って冷静に否定していた。私ともかは
「まあ中一だし彼氏彼女がいてもおかしくないのかもねー」
「まあでもまだ少ないんじゃない?」
など会話を弾ませていた。この時はこれで済んだが、問題はこの後だった。

____放課後_____________

帰りのHRが終わりみんなが帰り支度を
するなか教室のドアの方からいきなり、
「あゆと!ちょっと来て!」
と女の子の声がした。見たことがなかったので、他校出身で別のクラスの子だとすぐに分かった。
教室は一瞬静まり返ったが、滝島君が、
「なにしにきたんだよ。」
といつも通りの滝島君で接するので
みんなは少しずつまた騒ぎ出した。
帰り道もかに聞いた話だと、さっきの女の子は
滝島君の元カノ(?)で風原りおちゃんというらしい。
とてもフレンドリーで誰とでも仲良くできるので、いまクラスでも中心にいるような存在の女の子だそうだ。滝島君と付き合っていたのか、といえばもとはりおちゃんが滝島君に告白をし、1度付き合ったが、中学に入る前に滝島君から振ったのだと。実際1ヶ月も続かなかったそう。でもりおちゃんはまだ滝島君のことが好きでアタックを続けているのだとか。
(じゃあ今日クラスで呼び出ししてたのはなんなんだろう?)と私は疑問に思いつつ、滝島君はどうして別れちゃったのかな。と少し考えるのであった。

家に帰ってきて塾に行くまでの時間、
宿題も終わってしまい、私は漫画を読んでいた。
ピロリンッとスマホがなり確認してみると
相手は滝島君だった。内容は
「いきなり追加してごめん!クラスのグループにいたから追加してみた!笑」だった。
私は、「全然大丈夫!むしろ追加ありがとう!」
と返信し、それっきり返信が来ることは無かった。



翌朝教室へ行くと
担任の相川先生が
「今日から部活動の仮入部が始まるので、
良かったら俺が顧問をしている文学部へ!」
と勧誘をしていた。私は吹奏楽部に仮入部へ
行こうと希望表を提出済みであった。
もかも一緒に吹奏楽部へ来てくれると言うので
とても心強かった。
支度も終わったし本でも読もうかな…
と思い本を出した時
「ゆずっ!おはようっ!」
と伊川はるまが教室に入ってきた。
はるまとは幼稚園に入る前からずっと一緒で
家が隣同士といういわゆる幼馴染というものだった。「ん、はるまおはよう。」
と適当し返し、私は本を読み始めた。
「え〜ゆずひどーい。もっとお話しようよ〜」
はるまは小さい頃からずっとこんな調子だ。
それがある意味可愛いのだが。