「ごめんね、愛梨。」
「えっ!?」
レイが唐突に謝る。
「折角一緒に出かけてくれたのに、私のせいで台無し。ごめんなさい本当に。」
その声が震えてて。なんでレイが謝るのよぉ。と呟く。
「レイのせいじゃないじゃん!変な人がいたのが不運だったんです!ってか守ってくれて本当にありがとうございました!わたし咄嗟に使いこなせなくて。」
「でもね。だって、いつもそうだもの…!お姉ちゃんと遊びに行く時だって、ずっと楽しみにしてたのに結局トラブルに巻き込まれて楽しめないことが結構あって。…わたしがトラブルを招いてるんだなって。ずっと前からそう思ってる。から。」
だからごめんねって。声が震えて泣きそうになっている。こんなレイも普段とは違う。ただの少女。それ以上でもそれ以下でもない、その存在が、ただただ愛おしく感じる。
愛梨は思わずレイの小さな体を抱きしめた。
「レイ、守ってくれてありがとうございました。今日は短時間だったけどわたしはすごく楽しかったよ?誘ってくれて本当にありがとうございます。ねえ、レイ?」
愛梨は、レイの顔を覗き込んで言う。
「また遊びに行きましょう!またパンケーキ食べて、今度はタピオカものんで。レイとまた遊びに行きたいです。次はわたしから誘うから。」
レイ、いいですか…?と囁くように言ったら、レイは少し涙の溜まったパール色な目を輝かせて、やっぱり無垢に「…うんっ!」と微笑んだ。