近くて遠い。

新学期が始まってすぐあるのが「合唱コンクール」。

これからは放課後毎日歌の練習が始まる。

各クラスで決められた役員がCDプレイヤーなんかを教室に持っていかないといけなくて

4組の役員があたしだった。

「...って」

よいしょと何度も手のプレイヤーを持ち直す。

「いくらなんでも先生持たせすぎでしょ」

練習初日。
プレイヤーを取りに職員室に行ったあたしに担任の山川先生が

「お、ちょうどよかった。
これも持ってけ。」

と言ってあたしに大量の宿題たちを持たせたのだ。

いやいや、4組までどんだけ長いと思ってるんですか?!

4組は2階にあるが職員室は1階にある。しかも1組と2組は1階にあるためその前を通らなければならない。それなりに長い廊下があった。

ちなみに、1,2組の前を通りたくない理由っていうのが「元カレ」。

1年の時に少しだけ付き合っていた人がいて、どうもその人と会うのが嫌になっていた。

早く教室に戻ろうと思って少し早歩きをしていたら、

「おお、弘治じゃん!」

思わずビクッとしてしまった。

そう、その弘治というのがあたしの元カレであって...。

名前を呼ばれた弘治は振り返ると友達と肩を組んで歩いていった。

一瞬目が合ったが気にしない。

振ったのはあたしの方じゃないか。