そんな恐怖体験をした次の日、私はそれを後輩達と麻希ちゃんに話した。
すると、
『あははははは!もうっ!夕ったらー!
そんな事有るわけないじゃんっ!
絶対見間違いだってー!
怖いと思うとそー見えるって言うじゃん!
ほらー…えーと…何だっけ?…まぁ…言うじゃん』
と、気まずそうに麻希ちゃんは話す。
多分、私を麻希ちゃんなりに慰めようとしてくれたのだろう。
『幽霊の正体見たり、枯れ尾花…ですかね?』
『あ、それそれー!』
わざと、麻希ちゃんは、いつものように明るくして、自分自身を支えているのかも知れない。
わりと、麻希ちゃん、そーゆーとこ有るし。
『そーですよ!
そもそも、あれ、言ってた男子に聞いてみたら、ネタのつもりで、ふざけてでっち上げた話らしいですし!』
『え…フィクションだったの!?』
私が驚くのも無理ない。
あんなに昨日は熱弁して麻希ちゃんに対抗してたのに!
『そーですよ!
先輩は、見間違えたんです!
それ以外あり得ません!』
『うーん…そう…なのかなぁ…』
私はどこか腑に落ちない気持ちが心の中でふつふつと膨れ上がって居たけれど、そーゆー事にでもしないと、やってられないと思い、この気持ちを忘れる事にしたのだった…

懐中電灯の事を忘れて…