そして、私は今、じゃんけんに一回戦から一人だけ負けてしまい、此処に居る。
(うぇー…怖いよー…)
私の体は震えあがる。
『先輩!その、怪談って言うのは…』
後輩の話を思い出しながら、私は三年生の教室の前の廊下を歩く。
後輩の話によると、三年生の教室の並ぶ廊下の奥、突き当たりの所に存在する、今は使われていない教室で高校生の幽霊が見えると言う物だった。
現在の時間はそこそこ遅い。
運動部の人が少し残って夜練をしてる位だ。
すると、目の前にほの暗い教室が見えてきた。
此処が、幽霊が出ると噂の教室だ。
私は教室の前で足を止めた。
怖い、帰りたい、嫌…
何て言葉達を何とか頭と心の中で振り切って、私は前を向く。
そして、震える足を何とか前に一歩踏み出し、持っていた懐中電灯を教室へと向けた。
すると、そこには…