すると…
彼からなかなか返事が来ないので、不安になりつつも、もう一度説明する。
『ごめんなさい…
私、その、恋愛とか、よく分からなくて…
本当にごめんなさいっ!』
私は、こんな怯えまくりの私をせっかく好きに成ってくれたのに、気持ちに答えられない自分が悔しくて、何度も頭を下げながら、そう言った。
しかし、どれだけ待っても彼からの中々反応が無い。
そして、私は
『し、失礼しました!』
何だか気まずく感じて立ち去ろうとした。
すると…
『待てよ』
『ガシッ…』
腕をつかまれてしまった。
『っ!?』
私は異常に驚いた。
すると、堪えていた恐怖が何処からか込み上げてきた。
それは、吐き気がする程の物だった。
『は、離して下さいっ!!お願いしますっ!!』
私は何とか振り払おうとする。
しかし、男女の力の差は大きく、運動部の彼の力はずっと絵ばかり描いていた美術部の私からしたら、恐怖を感じる程の力だった。
(逃げられない。
怖い。
怖い。
怖い…
誰か、助けて…)
私はみるみる内に、泣きそうに成ってきた。
『嫌だっ!離してっ!』
私はそう叫んだ。
すると…
『その子から手を離さないと殺す…離せ…離せ…
その子からお前は手を離せ…』
と、急に、どす黒い人間とも思えない声が教室に響いた。