「うわぁ…。頭いてー。」

高校1年の夏、目覚ましのやかましい音が「僕」の頭をさらに痛くさせようと言わんばかりに鳴った。

起きようとすると、「僕」は珍しく夏風邪をひいていた。
ただ今、38,5度というなかなか高熱だ。

頭痛い、喉痛い、体だるい。もう最悪だ。

ま、学校休めるからまだラッキーだな。

午後になってから病院行きゃいいし、昼まで寝るか。


「ピンポーーン」
昼過ぎ、誰かが家を訪ねてきた。

「僕」はその音でようやく目が覚めた。その誰かが来なければ1日中寝ていたかもしれない。

誰かわかんないけど、誰かさんありがとう。
起こしてくれて。

悪いけど、呼び出しには無視するよ。

「僕」はその誰かさんがいなくなったことを確認してから、病院へと向かった。