「……なんで来たの?」
校舎裏まで、やってきて。
碧くんの手が離れ……ぬくもりが、消えた。
その上、追い討ちをかけるようにそんな質問をされ……
わたしの涙腺はもう我慢できないかように、ぷつんと音をたてて切れた。
「ふえ…………」
「!?」
「そんなの………っ碧くんが好きだからに決まってるじゃんかあ………っ」
1ヶ月前のあの告白以来、碧くんに好きと伝えた。
だけどあのときの“好き”と今の“好き”は、大きさも形も全然違う。
碧くん色に、染まってる。
「碧くんは………っどうすればわたしのこと、好きになってくれる………?」
「……」
「わたし、いっぱい頑張った………っ碧くんといつ廊下ですれ違ってもいいように身だしなみは毎日ちゃんとしたし、サッカーのルールも覚えたし、碧くんの好きな漫画も読んで、音楽も聞いた………」
はじめて自分から好きになったから、どうやったら相手に好きになってもらえるのかわからなくて、必死に考えた。
「っ………一緒に帰るとき、沈黙になったら嫌だから話題書き留めたりして………わたしなりに、いっぱい頑張ったの………これ以上、なにをしたらいいかわかんない………っ
ねえ碧くん…どうすればわたしのこと──」
続きの言葉は言えなかった。
碧くんの胸のなかに………飲み込まれてしまったから。
碧くんは段差になっているところに上がったと思ったら、わたしのことを上からぎゅっと、抱き締めて………
「紺野さんのこと、好きになんて………
もうとっくになってるよ」



