「やば、まじで美人」
「メアド交換しよーよ」
軽い雰囲気で話しかけられ、碧くんのことしか考えていなかったわたしは一瞬頭がついていかない。
正直、こういうナンパは慣れている。
無視をして立ち去ろうとしたら、腕をつかまれた。
「逃げないでよ」
「友達になろ~」
決して強くない力だし、ただのフレンドリーなふたりなんだとは思う。
だけどそうだとしてもそんなのお断りだ。
だってわたしは………
碧くんしか見てないから。
「──紺野さん!」
──空耳か。
大好きな人の声が聞こえてきた。
碧くんが向こうのほうから走ってやってきて、わたしをつかむ男の手を振りほどいたと思ったら、
今度は碧くんがわたしの腕をつかまえて………そのまま、歩きだした。



