『ごめんなさい…僕がドラキュラだから、人間さんの世界でいう結婚とか、子どもを産むとか…大切なことをあずさは出来なかった』


ケント…?


そんなことずっと気にしてたの?


だったら…だったら私は、ケントの寿命を300年も縮めたんだよ。


『そんなこと気にしないで…ケントは十分に私を幸せにしてくれたよ。素晴らしい人生だった。ケントがいてくれたからだよ』


そう言った後、ケントはね…


優しく私の手を取って、左手の薬指にそっと指輪をはめてくれたの。


ものすごく驚いたよ。


でも、シルバーの指輪がキラキラ光ってみえて、どうしようもないくらい嬉しかったんだ。


ケントも自分の薬指に同じ指輪をはめて、そして
、言ってくれた。


『人間さんは結婚の時、指輪を渡すと聞きました。僕達は、本当の結婚は出来ません。でも、これで…ずっとずっとつながっています』


って。