『私は今から100年生きます。あずさといられる今からの時間、それがあればもう十分です。あずさのおかげで人間さんと仲良し賞をいただきましたから』


ぎこちなく笑うケント…


久しぶりに見たよ。


『そうだったね。人間さんと仲良し賞もらってたね。私、ケントの寿命を奪ってしまった分、死ぬまで絶対にケントを楽しませるね』


残りの人生、目いっぱい幸せにしてあげたいと心から思った。


ケントは、ゆっくりうなづいてくれた。


私、長生きしなきゃね。


人間ドックにも行こう。


その日から、またケントは、ドラキュラの世界と人間の世界を行ったり来たりする生活が始まった。


ケントが残していったトマトジュース、もう全部飲んだんだから。


頑張ったんだよ、私。


ほめてもらいたいよ、ほんと。


トマトも、うん、おかげで少しは好きになった…かな。