私の頭の上にハテナマークがいっぱい飛んでいる。


それ、ジョークのつもり?


『初めまして、僕はドラキュラです』


いや、まだ冗談続けるの?


『ドラキュラ…さん?えと、それってあなたの名前?』


マイケル・ドラキュラみたいな?


『僕には名前はありません。ただのドラキュラです』


あまりに淡々とカッコよ過ぎる声で言うから、冗談を言ってるようには思えない。


だけど、そんな現実離れした話ってある?


この科学が発展してる現代にドラキュラなんて。


でも!


私の首噛んだもん!


ちゃんと痛かったし、くちびるに血がついてるもん!


も、もしかして、本当に…


このイケメンは本物のドラキュラなの?


あれって確か、日光に弱くて夜行性、女性の生き血を吸うっていう…西洋の怪物か何かだっけ?


そうだ!


ドラキュラって、ニンニクや十字架が弱点だったよね?