そして、それからまた1年が経とうとしていた。


ドラキュラと出会って2年…


本当にあっという間の2年間だった。


ケントがいうには、あと…1週間。


1週間したらケントは…


この2年、精一杯、私は一緒にいられる時間を楽しんだ。


でも…


まだまだ足りない。


全然…足りないよ。


もっと、一緒に…いたい。


『あと、1週間だね』


『はい、1週間です』


『なんか、寂しいな』


今の気持ちを素直にケントに言ってみた。


『寂しい…です』


本当?


寂しいっていう感情…まだそんなに無いよね?


やっぱり、それは義務感としての寂しい…だよね。


ケントの本当の気持ち、知りたいよ。


『あずさにはお世話になりました。一緒にいてくれてありがとうございました』


ケントがくれたのは普通の言葉。


でも、義務感でもなんでも、必死に言ってくれて嬉しいよ。


…ありがとう。