『痛った~~~い!!』


私は思わず大声で叫び、痛みがする首を押さえた。


『何、何、何??』


何が起こったか、まるで事態が飲み込めない。


真夜中、辺りには誰もいない。


街灯の明かりがぼんやり灯る、道のど真ん中。


振り向いた私のすぐ目の前に現れたのは…


『うわ!!』


高身長の超絶イケメン!!


だけど、だけど、なんでよ、口の周りが血だらけだよ~!


嘘…


もしかして私、このイケメンに噛まれたの?


『だ、誰?なんで口から血を流してるの?』


バカな質問。


目がうつろで神秘的な雰囲気のこの人は、その場に立ちすくんだままだんまりを決め込んでいる。


『い、痛いじゃない!あなた、私の首、噛んだでしょ!』


ちょっと怖かったけど、私は大学のサークルの飲み会の帰りで少し酔っ払ってるから結構強気。


なのに、そんな私の言葉を無視して黙って去ろうとするイケメン。