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「ほな、俺は帰りますわ。」

「うん、ありがとう。お疲れ様。」

駐車場所で烏丸がバイクのエンジンをかけた。

「…お前に礼を言われると気持ち悪いんや。」

「はいはい。分かったよさっさと帰れ。」

烏丸はふんっと鼻息を荒くしてバイクを走らせた。

助手席に乗ると運転席にいるレナさんがクスクスと笑っている。

「なんで笑ってるの?」

「ううん。特性持ち同士、お互いの力を認めつつも素直になれないんだろうなぁって思うと何か可愛いくって。」

レナさんには見透かされていた。
俺はムスッとして彼女の頭を甘噛みした。

「帰ろう。早くレナさんのカレーが食べたい。」


事件は解決を迎え、静かな夜が訪れた…。

そして俺はこの日、

もうひとつの特性の"魔性"の力を、
少しだけ愛しく思えたのだった……。