「咲音さんが…レズ?」

「そうだよ!絵梨奈を好きだった。
保健室で先生にその事を相談してたのを偶然聞いちゃったんだ。」

俺はようやく、祐介の腕を離した。

「手荒な真似してごめんね。」

「ったく。…兎に角俺が好きなのは祐子!
今でも、死んだなんて思いたくないのに…。」

そう言って、泣きべそをかいた。

その時、校長先生が突然現れた。

「刑事さん達…屋上の捜査は終わりましたか?
そろそろ鍵を返して欲しくてね。」

「すいません。ありがとうございました。」

「終わったならさっさと帰ってくれ。」

やけに冷たくそう言われた事に、俺は違和感を覚えた。

「青山、帰ろうか。」

気づくともう、夕方になっていた。
長居すると追い出される可能性もある為、
俺は難波さんと学校を出ようとした。