「ぢゃあ俺、そろそろ体育館に戻ります。」

タオルを首にかけた新太は、そう言って小走りで体育館の方へ去った。

「神田先生は、バスケ部の子達と関わり多いんですか?」

俺が尋ねると、新太が座っていた所に足を組んで座った。

「ええ、そうね。運動部だからよく、擦り傷付けては私の所に来てたわ。」

「徳本さんが自殺した時、第一発見者は貴女ですね?」

そう言うと難波さんが黙ったまま驚いていた。

「そう…あの子を発見したのは私よ。
あぁ、思い出したら胸が痛い…血だらけで今でも鮮明に覚えてる。」

光景を掻き消すような仕草をし、
知っている事を教えてくれた。

「遺書がポケットに入ってたの。」