屋上から降りていく途中、
1階で木崎絵梨奈に出くわした。

「青山刑事…?」
「こんにちは、絵梨奈さん。」

体育館シューズを片手に持っている。これから部活動なのだろうか。

「こんにちは。まさかこんなに早くまた会えるなんてね。」
少しはにかんで笑った彼女は、前よりも心を開いてくれたように感じた。

「…手ぇどうしたの?」

絵梨奈の左手に真新しい包帯が巻かれていた。

「練習中にボーッとしてたらしくじっちゃって。
マネージャーだから支障ないけど、捻挫って面倒くさい。」

「絵梨奈!!俺が迎えに行くって言ったぢゃん!」

新太が保健室の方から小走りでやってきた。